聞いたことはあるけど実際中に入ってみないと
よくわかんないものなので
私の経験から説明してみたいと思います。
質問とか変なところとかウチはこうだったよってのがあれば
遠慮なく言ってください。
●まずは「研究室」について。
理系は大学の3年か4年になるとどこかの
「研究室」に所属することになります。
研究室のトップが「教授」で、続いて「準教授」、「助教」。
「先生」と呼ばれる人たちです。
小さい研究室だと准教授や助教がいないこともあります。
あとお金があるところには教授の「秘書」がいます。
※ちなみに昔は教授、助教授、助手だったんですが呼び名が変� �りました。
先生たちの下には研究員がいます。
研究室によってはいないこともあります。
が、研究のベテランなので先生たちにとては有難い存在。
まずは「ポスドク」。
先生に雇われている期間雇用の研究員です。
この人たちは大学院を卒業して「博士号」を持っていて、
どこかの助教ポストが空くのを待っている人たちです。
それから「オーバードクター」。
雇われず自分で「学費」を払って
目標とするところはポスドクと一緒ですが雇われていません。
学費を払って研究室に所属しています。
あとは「研究生」。
学費を払って研究しているところはオーバードクターと同じですが
博士号は持っていないので助教とかにはなれませ ん。
大学の学部は卒業したものの就職活動や公務員試験失敗したり
大学院受験失敗してリトライしようとしている人が大半です。
さらにその下にまとめて「学生」と呼ばれる
「大学院生」や「学部生」がいて、研究をしています。
大体が教授、准教授、助教のいずれかの先生につきます。
研究テーマ(卒論課題)は大体先生の研究の一端を手伝う形になります。
甲高い声で言う不況ガラス
●学部と大学院
大学と言うのは短大なら2年ですがふつうは4年です。
大学で4年間勉強すると「学士」という号がもらえます。
大学院生と分けて「学部生」と呼ばれたりします。
短大卒業してから3年次編入する(3年生から入る)こともできます。
もちろん入試はありますよ。
↓
さらに進学して「大学院」に進学し、さらに2年勉強すると
「技士(ぎし、マスターとも言う)」という号がもらえます。
この2年間をマスターコースとか単にマスター、
学校によっては博士課程前期とか言います。
なぜかあまり技士課程とは言わない不思議。
学士より もちょっと卒業の要件が厳しくなりますが、
まあ普通にやってれば卒業できます。
何のために行くの?
と聞かれたらそれは人にもよりますが
研究をしていきたいからとかもっと勉強したいとか
就職活動失敗したからって人もいますね。
就職先によってはちょっと給料も上がります。
ちなみにマスターコースに行くにも入試があります。
難易度は学校や学部によって様々ですが、
大体学部時代行ってた学校の大学院に行く人が大半なので
身内に優しく外部に厳しくなりがちです。
私みたいに教授にキレた人や学歴アップを狙う人、
違う研究がしたい人なんかは
ここで他の大学や学部に移ることもあります。
↓
さらに進学すると「博士課程(ドクターコース)」に入ります。
もちろん入試があります。
博士ははくし、はかせとも読みます。英語だとドクターです。
博士課程の基本的な在学期間は3年ですが
要件を満たせば2年で卒業になることもありますし、
逆に要件を満たせなければ4年5年と居座ることになります。
要件は学校や学部によって異なるのですが、
論文を書いてそれが雑誌にのることです。
だいたい2,3本のようです。
卒業後は普通に企業に就職したり公務員になったり、
そのまま大学に残って研究する場合はポスドクになります。
運悪く雇ってもらえなかったらオーバードクターです。
研究室の先生が面倒見がよければけっこう何とかして
くれたりもするんですけどね。
キッチンカート、ステンレス鋼、肉屋ブロック自然のトップ
●研究室の実際
実際手を動かすのは研究員と学生です。
教授ともなると授業や実験実習に事務仕事が大変で
なかなか実験はできません。
準、助教あたりだと結果出して上にいかないとなので
自分で手を動かす先生もいますが、
学生ほど四六時中実験してるわけにもいきません。
結果をまとめて英語で論文書くのが先生の大事な仕事です。
同じ結果も書き方次第でで良くも悪くも見えますから。
大学院生は「教育」という部分にも携わります。
実験実習は先生だけでは手がまわらないので
teaching assistant(TA)として手伝います。
ちなみにコレ、バイトなのでお金がもらえます。
自給� �にはいいんですが、裏での準備を考えると
けっこうワリにあわないかも。
それから研究室に入ってきた学部生の面倒も見ます。
学部生は必要な知識はある程度授業で学んでいますが
研究には技術が必要な部分もありますし、
実際、実習でやった内容なんて忘れてますから。
そして大学院生が困っているときに助けるのが
研究員や先生達です。
が、ある程度自分で問題を見つけて解決策を考えてから
相談しないと厳しい先生にはディスられます。
●実際「論文」て何なのか。
一言でいったら研究結果をまとめた文章です。
書き方は大体決まっていて
・序論(その研究の分野でそれまでわかっていることなど簡単な説明)
・材料と方法(何を使ってどうやったのか)
・結果(研究の結果を表す具体的な数値など)
・考察(自分の出した結果や他の論文の内容を踏まえての結論)
という構成になっています。
ちなみに普通世界規模で読まれるので英語で書きます。
先生の大事なお仕事は良い結果を出し、良い論文を書くこと。
そして良い論文というのはどれだけ有名な雑誌に載ったかと、
他の研究者の論文にどれだけ引用されているか等で評価されます。
マイナーな雑誌に載ってもそれはそれで立派な論文ですが
有名な例えば「ネイチャー」とか「サイエンス」に載るのとは
天と地ほどの差があります。
芥川賞と小学校の作文コンクールみたいなもんです。
その雑誌の重要度を示す指標を「インパクトファクター」と言います。
トラベルトレーラーのオーニングを置く方法
論文の用語に「ファースト」というのがあります。
論文を書くための研究は普通独りではできません。
なので論文のタイトルのしたにはズラズラとたくさんの人の
名前が書かれています。
そのトップに名前が書かれた人物こそが「ファースト」です。
その論文の研究の中心人物であり執筆者です。
そのあとに続くのは実験をした人(主に学生)や
協力者(研究指導してくれた人など)です。
最後に名前が乗ってるのはファースト(執筆者)の先生です。
つまりラスボスです。
論文をどこで読むのか。
研究者は主にwebで読んでます。
論文検索サイト(Pubmedなど)で検索して、
要約を読んでみ て本文が読みたいなと思ったら
掲載サイトにアクセスして本文を落とします。
が。検索と要約を見るまでは無料ですが本文は基本有料です。
大学がお金払ってくれてれば大学内では見放題です。
あとは雑誌そのものを見るというのもありますが、
漫画雑誌じゃあるまいし毎号とって読むなんて
勤勉な人はなかなかいません。
ネイチャーとかサイエンスレベルならわかりますが
論文掲載雑誌なんてとうてい読み切れる数じゃありませんし、
自分の分野外だったり大して読みたくないのが大半ですから。
あとは古すぎるとweb上にないこともあります。
そういうときは学校の図書館にあることがあるので、
図書館のwebページで探してバックナンバーを見ます。
●「学会」って何し てんの?
一言で言えば、研究の発表会です。
研究者同士の交流や宣伝が主な目的です。
特定の研究分野の人で集まって行われます。
大学の関係者はもちろん、企業も参加します。
規模は地方から国際的なものまで。
国際的なものは大体アメリカとかヨーロッパで開催されます。
発表の形式は「スライド」と「ポスター」があります。
「スライド」は1対多数でパワーポイントなどで作成した
スライドを使っての説明です。
学校の授業みたいなかんじです。
発表の後は質問タイムがあります。
中途半端な発表だとここでボロッカスに言われます。
時間がかかるのでスライド発表はそこそこの結果を出した
人がやるものです。
もう一つの「ポスター」は、
自分の研究をまとめたポスターを使っての発表です。
体育館や広い会議室のような比較的広いところに
たくさんポスターが張り出されます。
自分はポスターの前に立ち、興味をもってくれた人に
ポスターを使って説明したり、
逆に他の人のを聞きに行ったりします。
1対少数なので密度の濃いお話ができますし人脈作りにもなります。
学生は普通こちらで発表します。
学部生が発表するのは稀ですが、
大学院生になったら普通1回は発表します。
いじわるな先生にからまれなければ平和に終われます。
賞もあるのでエントリーすれば賞がもらえることもあります。
どっちかって言えば学生のための� �のですね。
若手に授与されることが多いみたいです。
学会によっては商品にアイポッドもらえたりします。
●裏話(グチ)
先生の実力と人柄で研究室の雰囲気は決まります。
ある程度研究で実績があるとお金もいっぱいもらえるので
サンプルや機器が潤沢にあります。
※大学や学部にお金がないとどこも貧乏ですが。
また顔が広い方が有利なのはどこでもいっしょです。
先生の人望や人脈があれば機材を借りたり
サンプルの入手もできますが、逆もあります。
このため、つく先生を間違えると非常に苦労します。
使い捨ての器具を洗って再利用したり
百均やホームセンターで買ったものを改造して使ったり
他の研究室に自分で頭下げに行ったり
ブラック企業並みにこきつかわれた� �
パシリにされたり。
他のお金のある優しい先生のいる研究室見て「チキショー」と
ハンカチかみしめることになるわけです。
水道水をろ過した「純粋」と
さらに不純物を除去した「超純水」は
バイオ系の実験をする人であればなくてはならないものです。
ところが学部時代の研究室にはそれを作る機会がなく、
巨大な容器を持っては他の研究室に
「水下さい!」
と巡業していた悲しみを私は忘れません。
そして大学院で超純水やチップをまさに湯水のごとく使う光景に
思わず涙が出そうになりました。
あと超音波洗浄機とかね…。
ちなみにチップっていうのはピペットの先に着ける
使い捨ての器具です。
もちろん学部では洗って再利用してましたよ…。
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