1992年にStanford大学のTerry Winograd教授を中心に,ソフトウェアの一般ユーザが拡大する状況に対応するために, ソフトウェアにデザインを持ち込もうという先駆的なワークショップが行われました.ここでの発表論文は, 1996年に「Bringing Design to Software」として出版され,今日でも広く読まれています.
それから20年を経て,情報学は社会を大きく変える原動力となってきました.また,デザインに関わる研究活動も, プロダクトのデザインから社会のデザインまでを含む広範なものとなってきました.そこで,このワークショップでは, 今後の社会のデザインに対する情報学の役割を,研究者の視点で議論したいと思います.
Winograd教授のワークショップのSoftwareをInformaticsと読み替え,さらに主客を転倒し, 「Bringing Informatics to Design」と題したワークショップを開催し, 機械,建築,経営,教育学の専門家を交えて議論を行います.
講演概要
制御理論は,できあがったシステムの性能を向上させるために付加的に用いられる印象があるかもしれない. しかし実際には,システムの設計段階において制御理論を上手に利用することにより,大きな効果を狙うことができる. またシステムも機械システムに限らず,ネットワークでつながる大規模システムも対象になってきている.この講義では,
・制御しやすいシステムとなるように設計する
・これまでにない機能を持たせる
・電力システムなどの大規模システムを管理する
という方向で研究されている事例を紹介し,制御理論がシステム設計において果たしうる役割を考えてみたい.
講演者の略歴
太田 快人 教授
京都大学 情報学研究科 数理工学専攻
1983年7月大阪大学大学院工学研究科電子工学専攻博士後期課程中退.同年8月大阪大学工学部電子工学科助手. その後大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻教授を経て,2006年4月より京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻教授. この間1986年9月より1988年4月米国マサチューセッツ工科大学情報と決定システム研究所客員研究員. システム制御理論に関する研究に従事.European Journal of Control, Automatica, SICE JCMSI などの Associate Editor を務める. 計測自動制御学会,システム制御情報学会,IEEE, SIAM などの会員.
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関連資料・論文
講演概要
複雑な社会現象を理解して,その理解をデザインにまでつなげるためには,数理モデリングは欠かせない道具の一つである. 数理モデリングは生物学などの自然科学においても重要な研究道具となっており,さまざまな研究成果がある.
本講義では,自然科学におけるモデリングを例にとり,データと向き合うことの重要性,そしてモデリングの際の着眼点などについて紹介したい. そして社会のシステムやアーキテクチャに関するデザインへとつながる視点を見出だしてもらえればと期待する.
講演者の略歴
大久保 潤 講師
京都大学 情報学研究科 システム科学専攻
2007年東北大学大学院情報科学研究科博士課程終了.東京大学物性研究所助教を経て,現在,京都大学大学院情報学研究科講師. 確率的な現象を数理的な観点から記述し,理解することを主な研究テーマとしている.研究対象は生命現象における数理モデルを始めとして,複雑ネットワークなど多岐にわたる.
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関連資料・論文
講演概要
医療・福祉分野に限らず,生命や健康に直接に関わるものつくりに新しい設計概念が必要となりつつある. 講演では,イキモノとモノの違いや再生医工学の基礎に始まり,医療・福祉・ウェルネス現場におけるニーズとその定量化(効用値計算), 仕様への書き下し,経済社会評価などに関して述べ,その定量化の是非や,「質」を目指した新しい設計概念に関して,論議を交えながら考えていきたい. また時間があれば,発生確率が低く有害性の高いリスクの認識とその対処やリスクコミュニケーションの現状に関して述べる.
講演者の略歴
富田 直秀 教授
京都大学 工学研究科 機械理工学専攻
電気の種類には電流と電圧は?
1981年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程前期修了,1987年佐賀医科大学医学部医学科卒業(医師国家試験合格), 奈良県立医科大学整形外科等での整形外科臨床を経て,1994年京都大学生体医療工学研究センター医用システム工学分野, 助教授(分野長)(平成10年 再生医科学研究所に改組)2002年京都大学国際融合創造センター創造部門(生体・医療工学),教授, 2008年京都大学工学研究科バイオエンジニアリング講座教授.現在に至る.学生時代から,様々な生体材料,再生医療材料の設計・開発・実用化を続けている. 生体の多様性と自律性を考慮した方法論「生体環境設計」を提唱し,その基礎実験と定量化を行っている. また,医の倫理委員会や工学倫理の授業,各種ボランティア活動等を通して,医工学技術開発に関わるコミュニケーションの問題に関して考察を行っている.
関連資料・論文
著書
- 機能設計から生体環境設計へ ー「安心」を育てる科学と医療 Amazon
- ちゃっちゃんの遊園地
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講演概要
情報システムのみならず,建築物や機械構造物においても,設計者,製造者,利用者等様々なステークホルダーが関与する.持続可能なものとするには, それらステークホルダーのインセンティブを整合させることが重要である.複数ステークホルダー間のインセンティブを取り扱う理論として制度設計があり, 近年,経済学と情報学が融合する形で発展を遂げている.
本講義では,米国における周波数割当てを題材に,制度設計を概説する.周波数割当て方式(制度)の変遷を紹介し,なぜそのような設計が行われる必要があったかを議論する. これにより,制度設計の視点を持つことの重要性を説く.
講演者の略歴
松原 繁夫 准教授
京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻
1992年京都大学大学院工学研究科精密工学専攻修士課程修了.同年NTTに入社. 2007年より,京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻准教授.情報経済学に興味を持つ.博士(情報学).2002年度人工知能学会論文賞, 2003度情報処理学会研究開発奨励賞,2005年度日本ソフトウェア科学会論文賞受賞.人工知能学会,日本ソフトウェア科学会,情報処理学会会員.
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関連資料・論文
講演概要
When designing objects people use and systems with which they interact, optimal designs are those that "make the best compromise" between many competing criteria, such as cost, durability, functionality, safety, ease of use, familiarity, and novelty. Finding optimal designs and improving existing ones can be challenging, as inputs from many disciplines need to be considered in a simultaneous rather then sequential process. Often, inputs from prospective users of a system and people with deep knowledge of its intended environment are also crucial. In this talk we will consider the notion of a "best compromise", survey modern approaches to multi-discipline design optimisation, and examine the crucial and expanding roles of Informatics in design processes.
講演者の略歴
David KINNY 特定准教授
京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻
David Kinny (Ph.D., Melbourne) is an Associate Professor in the Graduate School of Informatics at Kyoto University who specializes in applying advanced Artificial Intelligence techniques to real-world problems. In a career in academia, industry and government spanning 30 years he has developed fault-diagnosis software for NASA's Space Shuttle, designed pioneering Multi-Agent Systems technologies such as the influential dMARS (distributed Multi-Agent Reasoning System), co-developed the widely-used GAIA methodology for Multi-Agent System design, and architected Australia's first national Water Resources Information System. His current research focus is developing novel adaptive techniques for challenging search and optimisation problems.
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関連資料・論文
講演概要
経営管理,マーケティングの領域でますます注目されているのが,市場創造,イノベーション,事業創再生,社会貢献連携などである. これらの諸課題は,従来の事業・製品・サービスの延長線上での改善・改良,累積的革新ではなく,創造的破壊,飛躍を伴う不連続革新を いかに実現するかという問題領域に関わるものであり,そこで「デザイン」発想が求められている.デザインはまさに新しいかたち,新しい人の動き,新しいこころの動き, 新しい意味を生成することを通じて,革新的なソリューションを提示するものである. 経営管理大学院では,「クリエイティブに問題を解決する」というアプローチに関わる専門性として, デザイン・センスを有するサービスマネジメント専門職人材の育成に取り組んでいきたいと考えている.
講演者の略歴
若林 靖永 教授
京都大学 経営管理大学院
1986年京都大学経済学部経済学科卒業,1988年京都大学大学院経済学研究科修士課程経営学専攻修了. 同研究科博士後期課程経営学専攻に進学し,1991年研究指導認定を受け退学.その後,京都産業大学経営学部専任講師を経て1994年より京都大学経済学部経営学科助教授, 1997年に同大学大学院経済学研究科助教授となる.2003年に京都大学にて博士(経済学)取得し,京都大学大学院経済学研究科教授, 2006年からは京都大学経営管理大学院教授となり,ともに現在に至る.
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関連資料・論文
講演概要
超大規模テキストの出現によりコンピュータにおける知識の欠如は解消しつつあり,頑健な言語処理システムが構築され始めている. 言語は人間活動・社会活動における本質的メディアであり,「デザイン」を支えるものである. 社会システム等のデザインにおいては,多様な立場の多数の人々による合意形成・意思決定が重要であり,これを支援する「言論の整理・組織化」について議論を行う.
講演者の略歴
黒橋 禎夫 教授
京都大学 大学院情報学研究科 知能情報学専攻
1989年に京都大学工学部電気工学第二学科卒業し,1991年京都大学大学院工学研究科修士課程電気工学第二専攻を修了の後, 1994年京都大学大学院工学研究科博士後期課程電気工学第二専攻修了.1994年より京都大学工学部電気系学科助手となり, 同時期1994年より1年間ペンシルバニア大学にて客員研究員となる.1998年京都大学大学院情報学研究科講師, 2001年東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻助教授 (工学部電子情報工学科兼担)を経て,2006年より京都大学大学院情報学研究科教授となり現在に至る. また、2007年から国立情報学研究所客員教授を兼任.
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関連資料・論文
講演概要
言語の壁を克服するコラボレーションを目指して活動し始めたのは,9.11直後の2002年でした. 京都大学社会情報学専攻,科学技術振興事業団,NTTコミュニケーション科学基礎研究所が協力し,日中韓馬の異文化コラボレーション実験を実施しました. 日常的な会話ではなく,目的指向のコラボレーションを研究対象としたのは,定量的評価を要件とする工学の研究手法が適用できると考えたからです. 「異文化コラボレーション (intercultural collaboration)」という言葉もこの時に生まれました. 以来,異文化コラボレーションのための多言語基盤「言語グリッド(The Language Grid)」をNICTプロジェクトで構築し, 蓄積された多くの言語サービスをコラボレーションの現場に適用しています.機械翻訳などITの能力が十分でないために,異文化コラボレーションのデザインは, 常に,人や社会を含む複合的な課題となります.この講演では,日本の農業専門家によるベトナム米作支援を題材に,情報学とデザインの関わりを考察します.
講演者の略歴
石田 亨 教授
京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻
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油圧送信センサーを確認する方法
関連資料・論文
講演概要
従来の学校教育は,教師が事実と手続きを教え,学習者がそれらを獲得することを重視するという教授主義(instructionism)に基づいてデザインされていた. しかし,近年,認知心理学,認知科学,学習科学の分野では,教師は教授者としてではなく,学習環境のデザイナーとして,ICTを活用した学習リソースを用意し, 学習者間のインタラクションを促進して,学習者が深い理解と能動的学習を通して,批判的-創造的思考力を身につけることの重要性が指摘されるようになってきた. さらに,学習を卒業した市民に対しても,科学や政治などに関わる市民リテラシーを高めるようなマスメディアやインターネットなどを通した コミュニケ-ションのデザインが必要になってきたことについて述べる.
講演者の略歴
楠見 孝 教授
京都大学 教育学研究科
1987年学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士課程単位取得退学,同年学習院大学文学部助手, 1990年筑波大学社会工学系講師,1994年東京工業大学工学部助教授,1996年同大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻助教授, 1997年4月より1998年2月までカリフォルニア大学サンタクルーズ校,ロサンゼルス校心理学部客員研究員,1999年京都大学大学院教育学研究科助教授, 2008年同教授となり現在に至る.言語,思考,記憶,学習,意思決定などの高次認知の心理学的研究に従事.博士(心理学). 2006年日本心理学会優秀論文賞受賞.日本認知科学会,日本教育心理学会,Cognitive Science Society各会員.
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関連資料・論文
講演概要
無線通信は1895年にマルコーニが通信実験に成功して以来,固定マイクロ波通信システム,衛星通信システム,移動通信システムと様々な形態で進化してきており, 現在は携帯電話や無線LANが普及している時代である.これらのシステムが世の中のニーズに応える形でどのように設計され,どのような技術が設計上必要かについて講演する.
また現在これら無線通信を基盤としたICT(Information and Communication Technology)技術を用いて風力発電, 太陽光発電等の自然再生可能エネルギーを電力網に組み入れたスマートグリッドや,さらに電気自動車, ビル管理システムと組み合わせたスマートコミュニティへと発展しつつある. このような中で,スマートグリッド・スマートコミュニティとICT技術の関係を述べ, 今後のICT技術を組み込んだトータルなシステム設計にどのような視点の議論が必要かについて述べる.
講演者の略歴
守倉 正博 教授
京都大学 情報学研究科 通信情報システム専攻
1979年京都大学工学部電気工学第二学科卒業,1981年同大学大学院工学研究科電気第二専攻修了. 1981年に日本電信電話会社電気通信研究所入所し,以来国内衛星通信用多元接続装置の研究開発に従事. 1988年から1989年にはカナダ政府通信研究所(オタワ)客員研究員として移動体衛星通信用変復調装置の研究に従事. 1997年から2002年,5GHz帯無線LANの国際標準であるIEEE 802.11a規格策定に従事し,以来高速無線LANの物理層,MAC層の研究に従事. 2007年より京都大学大学院情報学研究科通信情報システム専攻教授に着任し現在,ホーム/オフィス系無線LANシステム, スマートグリッド・スマートコミュニティ用センサーネットワークシステムの研究に従事. 2000年IEEE 802.11 WGより功労賞,2002年電波産業会 電波功績賞・総務大臣表彰,2006年電子情報通信学会業績賞,2007年文部科学大臣表彰・科学技術賞の各賞を受賞.
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関連資料・論文
講演概要
内視鏡手術に代表される先端医療技術が広がりを見せる中,その安全管理,手術時間の短縮や医師の負担軽減などが患者と医師の双方のニーズとなっている. 従来より外科的処置は症例ごとの手術プロセスの綿密な計画が必要不可欠で,日々多数の症例が発生することから計画の即時性も求められる.
このような課題に対し,我々はCT/MRI の三次元画像を活用したオーダーメイド手術シミュレーションについて研究を進めてきた. モデリングや可視化等の情報学的手法は症例固有の手術プロセスのデザイン,医療スタッフ間や患者-スタッフ間での共通認識の構築に有効である. さらに症例データに基づくシミュレーションの過程は手術内容や医学的知識の定量化を促し,新たな手術プロセスや臨床教育のデザインにも貢献するケースが見られる. 本発表では,ベースとなるモデリング・可視化手法を論じ,臨床における開発システムの実利用,医療機関との共同研究から得られた外科手術のデザイン例について紹介する.
講演者の略歴
中尾 恵 准教授
京都大学 情報学研究科 システム科学専攻
2003年京都大学大学院情報学研究科了.同年,同大学医学研究科助手(特任)を経て,2004年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助手となる, 2007年同助教.2009年ハーバード大学医学部Brigham and Women's Hospital在外研究員を経て,2011年京都大学大学院情報学研究科准教授となり,現在に至る. 医用グラフィックス,手術支援システム,可視化,触力覚情報処理に関する研究に従事.日本バーチャルリアリティ学会論文賞等を受賞.博士(情報学)
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講演概要
ソフトウェアには,作るものの世界と使うことの世界という,個別に存在する二つの世界が関わると考えています. 前者はシステムによって実行される対象としての世界であり,後者は人間がやりとり(インタラクション)をする対象としての世界です. 本講演では,自身で関わってきた研究ツールの構築や産学連携プロジェクトの経験を踏まえながら,使うことの世界をデザインしていく際の課題や, そのための表現,ツールおよびプロセスを紹介します.使うことの世界という視座から,ソフトウェアの品質というものを, 操作性やインタラクティビティという点において展望します.
講演者の略歴
中小路 久美代 氏
株式会社SRA 先端技術研究所 所長
1986年大阪大学基礎工学部情報工学科卒業後,株式会社SRA入社.形式的仕様記述支援研究に従事.1988年米国コロラド大学コンピュータサイエンス学部入学. 知識ベースによる設計支援環境の研究によりPh.D.取得.1994年には米国コロラド大学客員助教授,1995年には奈良先端科学技術大学院大学客員助教授就任. 2002年から2010年まで東京大学先端科学技術研究センターにて特任教授,2011年4月株式会社SRA先端技術研究所長となり,現在に至る. この間,ヒューマンコンピュータインタラクションデザイン,知識創造活動支援,ソフトウェア開発におけるコラボレーション支援等の研究に従事. 1997年科学技術振興事業団(現科学技術振興機構)さきがけ研究「情報と知」領域研究員.2000年同さきがけ研究「協調と制御」領域研究員.
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講演概要
インターネット上では多くのデジタルマップやデジタルアースと呼ばれる空間情報が提供されている. そのひとつグーグルアースは,地図と共に衛星画像や航空写真画が用いられ,見知らぬ街の状況が簡単に収集でき,利用者が多い. 時空間情報はフィールド調査や各種計画時にベースとなる情報である. そこで本論では,リモートセンシングや地理情報システム(GIS)を用い,時空間情報をいかに活用するかについて概括する.
講演者の略歴
酒井 徹朗 教授
京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻
1972年京都大学農学部林学科を卒業し長野県林務部技師となる,1975年京都大学農学部附属演習林助手, 1979年京都大学農学部助手,1990年京都大学農学部附属演習林講師を経て1993年同助教授となり, 1997年京都大学農学研究科教授に着任.1998年京都大学情報学研究科教授となり現在へ至る.
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講演概要
本講義では,建築とITの融合を目指した「空間知能化」のデザインについて講述する.空間知能化とは何か,空間知能化建築,空間のデザイン, 空間 知能化をとりまく社会,「建築」に見る空間知能化,都市空間のイメージ構造,デジタルサイネージ,デジタルサイネージとモバイル連携等について述べる.
講演者の略歴
田中 克己 教授
京都大学 情報学研究科 社会情報学専攻
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講演概要
建築をデザインするとはどういう事なのか,実はあまり理解されていません.建築家は気難しい芸術家のように,アイデアが突然頭の中に生まれてくる人達であり, 建築のアイデアは「天啓」のようなものだと考えられているのが一般的です.しかし建築をデザインするプロセスはそうではありません. クライアントや建築家を含む関係者全員の夢,それは勿論ひとつではなく複数ですが,その夢に現実的な形態を与えるのが,建築家の仕事です. 形の無い無数の夢を極めてリアルなひとつの建築物へと変化させる事が建築家の仕事であり,スケッチや図面を描くことは,そのプロセスの一部に過ぎません. ここでは最近竣工した羽田空港国際線ターミナル商業ゾーンの設計プロセスをお話しながら,建築デザインの実際をお見せしたいと思います.
講演者の略歴
岸 和郎 教授
京都大学 工学研究科 建築学専攻
1973年京都大学工学部電気工学科卒業,1975年同建築学科卒業,1978年同大学院修士課程建築学専攻修了. 1981年京都芸術短期大学造形芸術学科専任講師,1990年同助教授,1993年京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科助教授, 2000年同教授,2006年同大学院工芸科学研究科造形科学域建築設計学専攻教授を経て,2010年より京都大学大学院工学研究科建築学専攻教授となり現在に至る. この間,UCバークレイ,MITなどで客員教授等を歴任.「日本橋の家」で日本建築家協会新人賞・日本建築学会賞など,「子午線ライン明石旅客ターミナル」で 明石市都市景観賞などを受賞.主な作品に,日本橋の家(1992),紫野和久傳(1995),苦楽園の家Ⅱ(2001),ライカ銀座店(2006), KIT HOUSE(京都工芸繊維大学学生会館, 2010)など.主な著書に,"Waro Kishi"(Electa,Italy),「逡巡する思考」(共立出版)など.
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